森博嗣
文庫
講談社
2015-10-20 00:00:00
264

彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? (講談社タイガ)

  • 森博嗣
  • 講談社
  • 264頁

レビュー
  • 作者の作品では百年シリーズが一番好きです。
    3冊目が出版されるのを楽しみに待ち続けて、もう何年経つだろう。
    え?新シリーズ?え?ウォーカロン?
    まだ終わらないのか、っていうかもっと広げるつもりか!!
    と、半分義務感(だって好きだから)で本屋でぱらぱらめくってみると、なんっか読みづらい。
    しかし、ミチルという単語を発見してしまったので、これは読まねばなるまいと(やはり義務感か)購入。

    前レビュー者の甘夏さんと同じく、最近の森ミステリィは、解決編なし、謎投げっぱなし、
    これもそうだったら嫌だなぁ、なんて思いながら読み進めましたが、
    いやぁ、やられましたよ。満足です。

    さすがに、百年シリーズからさらに100年ほど経ったせいか
    ウォーカロンの技術的な歴史についての話が理解し難かったんですが、
    (そこまでいくとさすがに「人間とは何か」っていうテーマが良く分からん。
    ロボットが存在した百年シリーズくらいなら、そのテーマがすごく魅力的だったんだけど。)

    しかし、冒頭突然起こる事件に、あいかわらずのとぼけた会話、
    あいかわらずのあの人の登場(出るだろうとは思っていたが、やはりニヤリとするね)、
    「人間とは何か」とは別のテーマとして、繁殖機能の問題という謎。
    意外にも(失礼)惹き付けられます。

    冒頭の彼女がラストであーなってこーなってからエピローグまでの流れが
    とんでもなく面白かったので、
    「テンポは良かったけど難しかったからまぁまぁ面白いくらいかなぁ」
    から、終わりよければ全て良しということで、大満足で終わりました。

    あと2巻出る予定とのことで、続きが早くも楽しみ。
    最初から文庫で出してくれるなんて、財布にも優しいね。

コメント
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